環境省は、環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果をまとめた「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」を毎年公表しています。この度、2019年の推計結果をまとめましたので、「令和2年度環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」を公表いたします。2019年は、国内の環境産業の市場規模及び雇用規模ともに過去最大となりました。[環境省ホームページ 報道発表資料より]

【環境産業の定義】
本報告書では、OECDやEurostat等による環境産業の定義・考え方を基に、環境産業は、「供給する製品・サービスが、環境保護(Environmental protection)及び資源管理(Resource management)に、直接的又は間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義することとしています。
具体的には、「環境汚染防止」、「地球温暖化対策」、「廃棄物処理・資源有効利用」、「自然環境保全」の4つの分野に分けております。
※ 環境産業の市場規模、雇用規模、輸出入額の推計に当たって、毎年、環境関連法令や近年の環境産業の発展を踏まえ、推計対象産業の見直しを行っています。このような見直しを推計に反映しているため、昨年まで発表した推計数値と一致していない箇所があります。

【推計結果のポイント】
(1)過去推計について
①市場規模
・ 環境産業の市場規模は、2019年に約110.3兆円となり、過去最大となりました。2000年との比較では約1.9倍となりました。
・ 全産業に占める環境産業の市場規模の割合は、2000年の6.1%から2019年には10.5%まで上昇し、環境産業が我が国に与える影響は大きくなっています。

②雇用規模
・ 環境産業の雇用規模は、2019年に約268.8万人と、過去最大となりました。2000年との比較では約1.49倍となりました。

③輸出入額
・ 環境産業の輸出額は、2019年は約17.3兆円で、大部分を「地球温暖化対策」分野が占め、その中でも特に、「低燃費・低排出認定車(輸出分)」、「ハイブリット自動車」の占める割合が大きくなりました。
・ 環境産業の輸入額は、2019年は約4.0兆円で、大部分を「地球温暖化対策」分野が占めています。

(2)将来推計について
国内の市場規模は今後も上昇傾向を続け、2050年には約136.4兆円まで成長すると推計されました。市場の構成比率は、「地球温暖化対策(B分野)」が46.4%と最も多く、「廃棄物処理・資源有効利用(C分野)」がその後に続く結果となりました。
※ 本推計は既存産業の変化のみを対象としており、新たな産業の創出は考慮されていません。今後新産業の創出等により環境産業市場が本推計を上回る成長を遂げる可能性があります。

(3)特定分野の推計について
①適応ビジネス
・ 気候変動の影響による被害の回避・軽減に貢献している、または貢献する可能性があるビジネスの市場規模調査を行い、2019年度は約1.47兆円と推計されました。

②地域循環共生圏を構成する産業の地域経済効果等の検討
・ 地域循環共生圏を構成する産業について事例分析をした結果、地域資源を活用して、地域内でモノ、カネが循環し、地域外からも資金を稼いでいることを具体的な数字とともに示すことができました。

③新たな生活様式(New Normal)」の定着によって創出される製品・サービスの市場
・ 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、新たな生活様式へのシフトにおいて、その定着・普及に影響を受ける産業のうち、調査対象とした16の製品・サービスの2020年の市場規模をまとめました。

【推計検討の経緯】
 環境産業の動向や分析・推計手法に関して、専門的知見も踏まえた上で検討を進めるため、令和2年度「環境産業市場規模検討会」(座長:早見 均 慶應義塾大学 教授、計8名)を設置し、3回の検討会にて分析・検討を行い、報告書をまとめました。

【その他】
環境産業に関する情報は、「環境経済情報ポータルサイト」の「環境産業情報(「環境産業の市場規模等調査結果」)に掲載しています。
http://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/index.html

【添付資料】

【詳細】
環境省ホーム>報道・広報>報道発表資料>環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書の公表について
https://www.env.go.jp/press/109722.html