ナッジ(英語nudge:そっと後押しする)やブースト(英語boost:ぐっと後押しする)を含む行動科学の知見(行動インサイト)に基づく取組が早期に社会実装され、自立的に普及することを目標に、環境省では平成27年に府省庁初のナッジ・ユニット(ナッジPT「プラチナ」)を、また、我が国全体では平成29年4月より環境省のイニシアチブの下、産学政官民連携・関係府省等連携のオールジャパンの体制による日本版ナッジ・ユニットBEST(Behavioral Sciences Team)を発足しています。
平成30年度及び令和元年度には、環境省及びBESTは、行動経済学会との連携により、「ベストナッジ賞」コンテストを実施し、幅広い分野の社会・行政の課題の解決に向けて、ナッジ等の行動科学の理論・知見を活用して行動変容を促進し、効果を測定した実績のある取組を募集し、表彰(環境大臣賞)しました。このたび、今年度においても「ベストナッジ賞」コンテストを実施することとしましたので、お知らせします。[環境省ホームページ 報道発表資料より]
【応募対象】
以下の(1)から(4)の全ての条件を満たす取組を対象とします。
(1) ナッジ等の行動科学の理論・知見を活用して行動変容を促進するものであること。
(2) 社会や行政の課題の解決に向けたものであること(分野は環境・エネルギーに限らない。)。
(3) 実社会で実際に実施した実績のあること(アイデア段階は対象外)。
(4) 効果を何らかの方法により測定したもの。
【応募資格】
上記1.応募対象の取組を実施した主体(個人や教育・研究機関、医療機関、NPO・NGO、行政機関、各種法人、民間企業等の別は問わないが、応募する取組において中心的な役割を担った者に限る。ただし、環境省の委託により事業を実施している、又は、実施した環境省ナッジ事業を除く。)
【応募期間】
令和3年8月23日(月)から同年9月27日(月)正午まで(必着)
【選考・決定】
日本版ナッジ・ユニットBEST事務局が、以下の(1)から(6)の観点を踏まえ総合的に評価して受賞候補を選定し、行動経済学会に推薦します。「ベストナッジ賞」受賞者は、推薦された受賞候補者(4者程度を想定)のうち、令和3年12月11日(土)及び12日(日)開催の行動経済学会第15回大会における口頭プレゼンテーション審査(スライドによる15分程度の発表を予定)を経て、決定される予定です。
(1)新規性
国内外で類似の事例がないか。比較的最近の取組であるか(他の分野で事例があっても、その分野への適用に新規性があれば良い。)。
(2)社会的意義
社会や行政の課題の解決に向けた取組であるか(分野は問わないが、新型コロナウイルス感染症対策等の最新のトピックも歓迎する。)。
(3)用いた行動科学の理論・知見の適切性
ナッジ等の行動科学の理論・知見を適切に用いているか。作業仮説は適当か。
(4)効果測定の手法の適切性
適切な手法で効果測定しているか。得られる科学的根拠の水準(エビデンスレベル)が高くなるような手法を用いているか。
(5)他の地域・分野への波及可能性
他の地域・分野においても容易に実施・応用できるか。
(6)論理面への配慮
ナッジの受け手に配慮しているか。過度に心理的負担を与えるものでないか。
○ 行動経済学会第15回大会
・ 日時:令和3年12月11日(土)及び12日(日)
・ 場所:成城大学(〒157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20,本日8月23日時点で対面開催予定。)
・ 大会ウェブサイト:<http://www.abef.jp/conf/2021/>
【応募様式】
本コンテストに応募される場合には、2種類の応募様式(全体図.pptx及び体制図.pptともにMicrosoft Office PowerPointファイル)をダウンロードし、必要事項を記入してください。
【応募書類提出先・問合せ先】
必要事項を記入した応募書類を、拡張子(.ppt)を変更せずに、以下まで電子メールにより提出してください(時間厳守)。ファイル名は「ベストナッジ賞(応募者名)」の「応募者名」を、実際の応募者名で置き換えてください(前後の全角の括弧は変更しないでください)。
○ 提出先
日本版ナッジ・ユニットBEST事務局 宛
電子メール: chikyu-kokumin◎env.go.jp(メールの際は、◎を@にご変更ください。)
受付期間:令和3年8月23日(月)から同年9月27日(月)正午まで
備考:電子メールの件名は「ベストナッジ賞 応募書類提出」としてください。ファイルのサイズは5MBまでとしてください。受付期間を過ぎた場合、必要事項に記載漏れ等の不備がある場合には受け付けられませんので御注意ください。また、受領確認の連絡はいたしませんので御容赦ください。
○ 問合せ先
環境省地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ライフスタイル推進室 宛て
電子メール: chikyu-kokumin◎env.go.jp
○ 提出先
日本版ナッジ・ユニットBEST事務局 宛
電子メール: chikyu-kokumin◎env.go.jp(メールの際は、◎を@にご変更ください。)
受付期間:令和3年8月23日(月)から同年9月20日(月)正午まで
備考:電子メールの件名は「ベストナッジ賞 問合せ」としてください。公平性等の観点から、受付期間を過ぎた場合には対応できませんので御注意ください。また、公平を期すため、回答は原則受付順にいたしますので、お待ちください。
【その他注意事項】
応募書類の提出をもって、応募者は以下の全てに同意したものとみなします。
(1)応募された取組は、日本版ナッジ・ユニット連絡会議等において事例紹介したり、同連絡会議等に出席して取組内容の説明を求められたりすることがあります。
(2)応募内容に著作権等の知的財産権が含まれる場合には、応募者が必要な対応をする必要があります。また、応募に関して、応募者と当該応募者以外の者の間及び応募者内部等に紛争等が生じた場合には、当該応募者は自らの責任と費用負担により当該紛争等の解決等必要な対応をするものとします。
(3)「ベストナッジ賞」受賞候補者は、行動経済学会第15回大会の開催日の両日に参加し、発表(スライドを用いた口頭プレゼンテーションによるものを予定)できる応募者の中から選定します。同大会への参加に当たり、発表者1名の学会参加費は免除されますが、旅費・宿泊費等のその他の費用は「ベストナッジ賞」受賞候補者の負担となります。なお、本日8月23日時点で同大会は対面開催予定ですが、新型コロナウイルス感染症の状況等に応じて、開催形態や開催時期に変更があり得えます。あらかじめ御了承ください。
(4)選考の過程や結果についての問合せには対応できかねます。
(5)同一の応募者(個人・組織)が複数の取組について応募(複数件応募)することも可能ですが、そのうち「ベストナッジ賞」受賞候補となり得るのは1件までです。
(6)応募書類に虚偽の内容を記載した場合には、「ベストナッジ賞」受賞候補及び受賞の選定取消を含む措置を採ることがあります。
(参考1)平成30年度及び令和元年度に実施した「ベストナッジ賞」コンテストについて
行動経済学会との連携により、幅広い分野の社会・行政の課題の解決に向けて、地方公共団体においてナッジ等の行動インサイトの活用により行動変容を促進し、効果を測定した実績のある取組を募集しました。新規性、社会的意義、用いた行動科学の理論・知見の適切性、効果測定の手法の適切性、他の地方公共団体・分野への波及可能性を踏まえ、各年度で以下の2件ずつがベストナッジ賞を受賞しました(いずれも環境大臣賞)。それぞれの取組の関連資料(応募書類ではありません。)を掲載したウェブサイトのアドレスを以下に添えます。
● 令和元年度ベストナッジ賞
○ 代表者:NEC ソリューションイノベータ(株)
・ プロジェクト:感謝フィードバックによる資源循環促進
・ 実施フィールド:宮城県三陸町<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/renrakukai13/mat_01-1.pdf>
○ 代表者:中部管区警察局岐阜県情報通信部、関東管区警察局静岡県情報通信部
・ プロジェクト:オプトアウト方式による休暇取得の促進
・ 実施フィールド:代表者の所属機関<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/renrakukai13/mat_01-2.pdf>
● 平成30年度ベストナッジ賞
○ 代表者:(株)キャンサースキャン
・ プロジェクト:大腸がん検診受診行動促進プロジェクト
・ 実施フィールド:東京都八王子市<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/renrakukai05/mat04_2.pdf>
○ 代表者:京都府宇治市
・ プロジェクト:犬のフン害撲滅パトロール「イエローチョーク作戦」
・ 実施フィールド:京都府宇治市<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/renrakukai02/mat03_3.pdf>
(参考2)日本版ナッジ・ユニットBESTについて
<http://www.env.go.jp/earth/best.html>
日本版ナッジ・ユニットBEST(Behavioral Sciences Team)は、関係府省庁や地方公共団体、産業界や有識者等から成る産学政官民連携のオールジャパンの取組です(事務局:環境省)。ナッジ(英語nudge:そっと後押しする)やブースト(英語boost:ぐっと後押しする)を始めとする行動科学の知見(行動インサイト)に基づく取組が政策として、また、民間に早期に社会実装され、自立的に普及することを目的に、環境省のイニシアチブの下、2017年4月に発足しました。その後、同年10月のノーベル経済学賞の受賞分野が行動経済学であったことの後押しもあり、取組が深化し、連携体制が次第に強化されています。どのような取組も、地域に根付くものとするためには、関係するあらゆるステークホルダーを巻き込んでいくことが必要不可欠です。このため、行政内に限った取組ではなく、参加者が同じ立場で自由に議論のできるオールジャパンの実施体制としています。
○ 日本版ナッジ・ユニットBESTのウェブサイト(会議資料、報道発表等)
<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html>
○ 平成29・30年度年次報告書(日本版ナッジ・ユニットBEST活動報告書)
<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/report1.pdf>
○ 報告書「ナッジとEBPM~環境省ナッジ事業を題材とした実践から好循環へ~
<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/EBPM.pdf>
○ 我が国におけるナッジ・ブースト等の行動インサイトの活用の広がりについて
<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/hirogari.pdf>
【詳細】
環境省ホーム>報道・広報>報道発表資料>「ベストナッジ賞」コンテストを再開します!~行動経済学会とのコラボレーション企画~
http://www.env.go.jp/press/109917.html